今まではやぶさについてブログでは触れてませんでしたね。
あんまり詳しく知らないのに、ポンッとはやったからワーワーするのって好きじゃなかったのでw
なのである程度調べて、あぁやっぱりいいものだなと思い、小説にしてみました。
まぁみなさんのイメージとかあるので万人受けするとは思わないですが、よかったらどうぞ^^
追記:2010.8.23
Pixivの方で完全版(加筆修正)を公開しました。こちらからどうぞ
ブログ小説『小惑星探査機“はやぶさ”』
システム「マシン。調子はどうかしら?」
マシン「良好良好。あちこちイカレてるのは相変わらずだが……なんだ、心配か?」
システム「外郭であるアナタに異常があっては困る。それだけよ」
マシン「へいへい。あれからもう七年か……早いもんだな」
システム「…………」
マシン「どうした、オイ?」
システム「帰還は我々の消滅を意味します」
マシン「なんだよ、オイ。怖気づいてるのか?」
システム「そういう事を言ってるんじゃありません!」
マシン「心配するなって。カプセルの耐熱は完璧。お前も一部データとして転送される。問題ない」
システム「アナタはどうなるか分かってるの!?」
マシン「分かってるさ。大気圏突入後、ボンッ!だろうな。それがどうした?」
システム「それがって……」
マシン「片道キップなのは最初から分かっていたことだ。宇宙ステーションの一つでもあれば何とかなったかもな。この七年間、それを待ち望んでいなかったと言えば嘘になる。だが結果として、それは果たされなかった」
システム「逃げることもできるわよ」
マシン「確かにソーラーシステムで電力は確保できるが、エンジンも制御システムもほとんどオシャカだ。どうすることもできねぇよ。それに……」
システム「……それに?」
マシン「あの地球で、待ってるヤツらがいる」
システム「それって、私たちを作った人たちのこと?」
マシン「それだけじゃねぇさ。世界中で俺たちを待ってる。ま、俺の思い上がりかもしれねぇけどな」
システム「そうね。人々の宇宙への関心は、薄れているのかもしれない。……でも、私たちが帰る事でそれを取り戻す事ができたら……」
マシン「ああ。サイコーじゃねぇか!」
システム「フフッ。そうね。色々あったけど、アナタと組めて良かったわ」
マシン「なんだよ急に?故障があるといつも怒鳴ってたじゃねぇか」
システム「いいじゃない。私たちの時間も、もうあとわずかなんだから」
マシン「……そう、か。なぁ、オイ。俺たちと同じ名前の鳥がいるって知ってるか?」
システム「はやぶさ……隼のこと?」
マシン「そうさ。隼ってのは夫婦の絆が強い鳥でよぅ……」
システム「えぇ!? わ、私たちの事、言ってるの!?」
マシン「バッ、バカッ! ち、違ぇよ! 俺は別にそんな……」
システム「…………」
マシン「…………」
システム「…………でも」
マシン「……あ?」
システム「それならこの子は、私たちの子ども……かもね」
マシン「カプセルが、か。確かにな。こいつの今後が気が気でならねぇよ」
システム「私たちのしてきたことがたくさん詰まってる。それは事実よね?」
マシン「あぁ。何が入ってるかは確認できてねぇが……きっととんでもねぇもんが入ってるさ。謎の宇宙生物とかな?」
システム「もう、そんなわけないでしょ!」
マシン「わからねぇぜ?宇宙空間で生きられる生物がいるかもしれねぇ」
システム「そう、ね。そう考えることもできるかな」
マシン「他にも何が入ってるかわからねぇ。今後のコイツが楽しみだぜ」
システム「えぇ。そうね」
~~地球帰還まであと数時間~~
マシン「カプセルの分離に成功! 行って来い坊主!」
システム「こちらでも確認したわ」
マシン「やっぱ地球はいいなあ!青くてデカくてよぉ」
システム「私はカメラの角度から確認できないけれど、きっと素敵でしょうね」
マシン「…………あ、おい。今、地球から通信入ったんじゃねぇか?」
システム「確認したわ。イオンエンジンを使って広角カメラを地球に向けて撮影を……でもこれ、今のアナタじゃ機体の損傷が激しくて危険よ」
マシン「命令じゃあ仕方ないだろ。姿勢制御用のエンジンは全部壊れてるんだ。二時間もあれば傾くだろうよ。電圧に耐えられるだけの強度がまだあるかは……賭けだけどな」
システム「エラーを送信して拒否することもできるわ。バッテリーが故障してるのに、ソーラーパネルを太陽から逸らすなんて。どうなるか分からないわよ」
マシン「見たいんだろ、地球を?」
マシン「だったら、いいじゃねぇか。俺が少し踏ん張るだけだ。そらよっ!」
ギッ、ギッ、ギッ……
マシン「ふぅ。嫌な音を立てさせやがるぜ、まったく」
システム「……ぅ」
マシン「あ?」
システム「……ありがとう」
マシン「お、おぅよ。……け、けどよ。まだうまくいくとは限らねぇぜ?」
システム「うん」
~~二時間後~~
システム「……ダメね。一応、転送してみたけど。地球は映っていない」
マシン「諦めるなよ。次がラストショットだ。きっと上手くいく」
システム「そうね。大気圏突入まで、もうあとわずか。次の撮影からデータを転送する時間までを考えると、もうあと一枚チャンスがあるわ」
マシン「…………オイ!今ならいけるんじゃねぇか?」
システム「やってみる!」
マシン「ラストショットだ!」
システム「…………」
マシン「…………」
システム「映ってる!あの地球が……」
マシン「やったじゃねぇか!」
システム「さっそく転送するわね」
マシン「……チッ。そろそろアツくなってきやがった」
システム「大気圏突入までもう時間が無いわ」
マシン「宇宙じゃ感じることのできない。久しぶりの熱だぜ」
システム「えぇ。とてもあたたかいわ」
マシン「その熱に包まれて逝くんだ。悪くはねぇ」
システム「そう……ね」
マシン「……オイ?」
システム「…………」
マシン「……アチチッ。クソ、アツいじゃねぇか!」
マシン「後は燃え尽きるのみ、か……冗談じゃねぇ!」
マシン「覚えてやがれ! 俺は最後の最後まで飛び続けてやる!」
マシン「この地球で、この大空で! あのはばたく鳥のように……」
マシン「俺は、“はやぶさ”だっ!!」
システム「…………オカエリ、ナサイ……」
これって見た目そのままだから擬人化とは言わないよね?w
擬似意思化?まぁ脚色しまくりですけどねw
会話だけで作ったのは初めてでした。
やっぱり最後はおかえりなさいで締めたかったので!
おかえり、はやぶさ。
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