超機迅雷ダイガイオー
龍一「ガイオーはこのままでいいもん!巨大ロボットなんかにしなくったってさ!」
親父「しかしな。ヤツらはもう20m級の兵器を投入してるんだぞ」
父親からの電話は最近幾度と無く言い合いをしていた話だった。
あたしの誕生日プレゼントに贈られた2mのロボット、ガイオーを対宇宙人兵器用に巨大化するというもの。
当然、これまで培ってきたガイオーのシステムが移されるわけだ。
あたしはガイオーのプログラムのコピーだけは断固反対だった。だからこうしてごねているんだけど……
龍一「生まれた時から小まめにバージョンアップしてるじゃん。これからもそれでいいよ!」
ガイオーは今のままでも充分戦える。
これまでに何度も襲ってきたインベーダーを相手に全勝しているんだ。
親父「しかしな。質量の差だけは・・・」
その時、インベーダー出現の警報が鳴り響いた。
こうしちゃいられない!
龍一「警報だ!行くよガイオー!」
ガイオー「ピー。了解。リューイチ」
親父「待て!娘のお前が現場に行くことも――」(プツ)
あたしたちは急いで現場に急行した。
そこで待ち受けていたのは親父の言うとおり、巨大なインベーダーの兵器だった。
兵器なのか、これがインベーダーの成体なのかはわからないけど、街を破壊し、人々を襲っているんだ。
このままになんかしておけない!
龍一「今までのやつらと違うね・・・ガイオーの何倍あるんだろう」
男「うわあああ!」
敵ロボ「ギギギギ!」
敵ロボットは身近なサラリーマン風な男性を見つけると進行方向を変えた。
このままじゃインベーダーに食べられてしまう。
龍一「大変だ!ガイオー!」
ガイオー「オオオオー!!!」
ガキンッ!
ガイオーの一撃が敵ロボットの装甲にめり込んだ。
倒せない相手じゃない!
龍一「よし。当たらなければどうということはない!これならガイオーでも何とかなりそう」
ガイオー「オオーッ!」
龍一「ふっ、たかがロボット一つ。ガイオーで押し返して――」
ガイオー「ピピッ!リューイチ!」
龍一「もう一体!?」
いつの間にかあたしの後ろのビルの陰からもう一体の敵ロボットが出現していた。
狙いは人間であるあたしだ。
敵ツー「殲滅スル」
龍一「し、しまった!!」
敵ロボットの足があたしを踏み潰すかの如く伸びてくる。
ベギンッ!
龍一「ガイオー!」
ガイオー「ピ、ピ、ピ……」
それを止めたのはガイオーだった。
手はひしゃげ、腕のほとんどにヒビがはいっていた。
龍一「私をかばって・・・」
敵ロボ「ギギーッ!」
もう一体の敵ロボットは後ろからガイオーを蹴り飛ばした。
ガンッ!
建物に叩きつけられるガイオー。
それでもまだ、ガイオーは動こうと必死だ。
ガイオー「ピ、ピ・・・リューイチ」
龍一「ガイオー!無理だよ。一人で2体も相手にするなんて!」
ガイオー「右脚部大破。肩パーツ損傷。メインシステムエラー。続行不可能。ピピピ」
龍一「まだ動けるの・・・ガイオー」
ガイオー「・・・リュウ、・・・イチ・・・」
龍一「もうボロボロじゃない!」
敵ロボ「ギギギギ!」
敵ツー「ギーィ!」
龍一「もう止めてよ!この偏屈異星人!」
その時、巨大なロボットを吊るして大きなヘリがこっちに向かってきた。
あの装甲。見た目。どう見ても大きなガイオーだ。
するとあたしの携帯のベルが鳴る。親父だ!
親父「龍一!新たなガイオーを連れて来たぞ。これで勝てるはずだ!」
龍一「ガイオーが!ガイオーが!」
親父「龍一。ガイオーの胸部から記録ソケットを外して新しいガイオーに付けるんだ!」
龍一「そんなことしたら、このガイオーが抜け殻になっちゃう!壊されちゃうよ!」
親父「このままでは記録もろとも壊されてしまうぞ!それでいいのか!?」
龍一「よくない!よくないけど・・・」
ガイオー「リュ、ウ・・・イチ・・・」
親父「機体の損傷率79%?なぜまだ動けるガイオー?」
龍一「ガイオー・・・」
ガイオー「・・・リュ・・・ウ」
そんなにまでなって動こうとしているガイオー。
それが誰のためなのか、あたしには痛いほどわかっていた。
ごめんよガイオー。そんなになるまで戦わせてしまって……。
龍一「仇はとる。絶対とるから!」
パシューッ。
ガイオーの胸部を開け、ソケットを取り出した。
龍一「今までありがとう、ガイオー・・・」
ガゴン!
抜け殻となったガイオーはそのまま倒れて動かなくなってしまった。
あたしが小さいころからずっと一緒だったガイオー。
一緒に平和を守るって思っていたのに。これからもずっと一緒だって思っていたのに……。
急すぎる別れに投げかけてやる言葉も見つからなかった。
親父「よし!早くそれを渡しなさい!」
龍一「嫌だよ!これはあたしとガイオーの思い出だもん!」
あたしは寝かされたばかりの巨大なガイオーに向かって駆け出し、そのコックピットを開けた。
親父「なにを、お、おい!勝手にコックピットに入るな!!」
龍一「ガイオーが……あたしのガイオーが・・・。クソゥ!泣いてる場合じゃない!
ソケット挿入。システムオールグリーン!このガイオー、動くぞ・・・」
操縦方法なんて知らない。
でも、ガイオーの思い出が詰まっているんだ。
いつもみたいに、できるよね。ガイオー……。
親父「仕方ない。これまでのガイオーのモーションデータはすべて使えるはずだ。お前の声も届くぞ!」
龍一「いつものように必殺技を叫べばいいのね!」
親父「ひ、必殺技だぁ?」
龍一「ガイオー!あれをやるよ!」
ガイオー「リョウカイ。リューイチ」
龍一「うわああああああああ!」
ガイオーは敵ロボットに向かって高らかに飛び上がった。
親父「どうなっているんだ?ガイオーの出力がどんどん上がっていく・・・」
龍一「スーパー!ライトニング!ガイオー蹴りぃいいいい!!」
ガイオー「オオオオオオーーーーーー!」
敵ロボットの一体を貫き、もう一体の体をも貫いた。
龍一「成敗!!」
ドッッカーーーーーン!!
親父「勝てる!このガイオーが量産の暁には・・・あと十年は戦える!」
龍一「量産なんかさせるもんか!」
親父「なんだと!?」
龍一「そんなのガイオーじゃない!ガイオーは壊されちゃった。ずっと一緒だったあたしの友達だ!」
親父「何を言ってるんだ!」
龍一「ガイオーの心を受け継ぐこの子だけが本当のガイオーなんだ!」
龍一「――否!今日からこのガイオーは・・・この子の名は・・・!」
親父「なんだというのだ!?」
龍一「その名は……その名は!!」
第EX話『超機迅雷ダイガイオー』
親父「超機迅雷?これはどんな意味だ?」
龍一「問答無用!敵の反応が近づいてくるよ!」
親父「なんだって!?」
龍一「大丈夫!このダイガイオーは無敵なんだから!」
龍一「さぁ!この稲妻の雷光を恐れぬならかかってこぉい!」
新しいガイオー。
ダイガイオーとあたしの本当の戦いが始まった。
物凄い趣味的ですがこーゆーのが書きたいですw
スーパーロボットはロマン!やはり熱い展開は大事ですね!!
龍一さんからはリアルロボットがいいと言われたのでリアル系(ガンダム系)ではあります。
ただ、叫んで技が出るのもそうだし、ダイガイオーの名前的にもスーパーロボットっぽいですよねw
敵もゲッター意識してインベーダーですしw
これは連載の予定はないですが、書きたいという欲求をなんとかするために書いたものです。
またその欲求が抑えられなくなったら書かせて頂きますw
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無題
親父は量産したい→売って金にしたいって事でしょうか?
龍一は、唯一無二の親友として扱っている。
龍一さん(主人公)は女性ですかな?
娘って書いてありますがw
名前とのギャップを感じてしまいました。
Re:無題
実は高火力なビームを出すかで迷いましたw
ロボットの切り札を考えるのも醍醐味かもしれませんね~。
あと合体機構とかも(ry