今回は挿絵有りです。年齢制限つけるなら一部15禁です。
ブログ小説『竹蔵武勇伝†他~節分と鬼と……~』
おふみ「節分だよ!」
恵方巻きと豆を用意した姉上が俺の家にやってきた。
イト「せっぷん?おふみ殿、大胆じゃのう」
竹蔵「オイオイ。昨日説明したろ?あとタイトルコール的なのはイトの役目だろ?」
おふみ「いいからいいから。さぁ食べて食べて~」
今年の恵方巻きはとてつもなく大きい。これだけで満腹になってしまうな。
おふみ「今年は西南西を向いて食べるんだよ」
イト「年によって変わるのか!面白いのう」
竹蔵「食べてるときは喋っちゃダメなんだぜ?」
俺とイトは西南西の方を向いて恵方巻きを口にした。
なんとか食べ終えたが、イトはまだ半分くらいだった。
必死になって極太恵方巻きを食べているイトはなんか面白かった。
アカネ「おふみお姉ちゃ~ん!恵方巻き!」
おふみ「はいはい。ここに用意してあるからね」
いつの間にやらアカネまできやがったか。
竹蔵「……そうだ!イト、俺が節分の手本を見せてやろう」
イト「ふむ?」
俺は豆を持ってアカネに投げつけた。
竹蔵「鬼は外!」
アカネ「……?何かした竹蔵?」
げっ!腐っても鬼か。全然効いてないじゃないか。
竹蔵「よぉーし、もう一発だ!……あれ?」
手にした豆はどこへやら、いつの間にか無くなっていた。
ピシッ!
俺の頬を何かがかすめて行った。家の壁を見ると、豆がめり込んでいた。
おふみ「そういうのは家主、つまり男の役目だったよね?」
姉上は楽しそうに豆を持っていた。
おふみ「さぁ~覚悟はいいか竹蔵ぉ~?」
竹蔵「いや、俺は鬼じゃないし。鬼ならリシュワットが……」
おふみ「問答無用!」 姉上は本当に問答無用で投げつけてきやがった。
竹蔵「イテテテ!冗談じゃねーぞ!」
俺は思わず外で逃げてしまった。
おふみ「これが鬼は外だよ」
イト「面白そうじゃな。わしも後で竹蔵にやろう」
外へ出たのはいいが、いつ姉上が投げつけてくるとも分からない。
俺はなかなか家に入れないでいた。
竹蔵「やれやれ。どうしたもんか……あん?」
向こうからやってくる大男を発見。間違いなくリシュワットだ。
虎の腰巻をつけて、金棒を背負っている。あの金棒、本物だろうなぁ。
本当の鬼以上に鬼らしい格好をしている。
リシュワット「何をシテおル?」
竹蔵「それはこっちのセリフだ。鬼神が鬼の格好してたら豆を当てられるぞ」
俺の言葉にくるりと背中を見せるリシュワット。
リシュワット「もう当てラレテおルわ」
どうやら村の子ども達が投げつけたらしい。豆がたくさん張り付いていた。
相変わらず面倒見がいいというかなんというか……。
リシュワット「姫様のゴ命令ダ。今日は鬼トなロウ」
竹蔵「そいつは重畳。で、リラはどうした?」
リシュワット「リラならスグに……ム? ンガッ!?!?」
リシュワットが思いっきり顎を外してみせた。
向こうからやってくるのはリラじゃないか?
鬼のパンツとはああいうものか。上も胸しか隠れて……いや、あれは隠れてるのか?
竹蔵「……何やってんだよお前?」
リラ「ひ、姫様の……命令で……み、見るな!」
リシュワット「ア、う、ウム!」
リラに背を向けるリシュワット。
その途端、自分を隠そうとしていたリラが普通に立った。
リラ「……で?姫様はどちらにおいでか?」
竹蔵「お前、恥ずかしくないのかよ?」
リラ「フン。リシュワット以外に見られても何とも思わぬわ」
そういうものか。よく分からんな。
リシュワット「リ、リラ。ソノ格好はヤメよう」
リラ「そ、そうか。さすがに恥ずかしいと思ってた」
リシュワットが言うとこれか。なんだかよく分からんな。
結局、鬼の格好をしたリシュワットだけが鬼の役をやり、村中で豆まきが行われていた。
俺はというと、普通に豆を歳の数だけ食っていただけなのだが……。
大してオチが無いのが不思議で仕方なかった。
▽
△
おふみ「焚蔵。イトちゃんから鬼の衣装もらったんだけどうどう?」
ガンガラガンガッシャンッ!
焚蔵「ええ~っ!? あのお姫さんにも困ったもんだなぁ」
おふみ「変、かな……?」
俺の嫁さんが変だなんて思ったことは一度だって無い。
どんな格好をしていようとも、おふみはおふみだ。
焚蔵「似合ってるよ」
おふみ「ほ、本当!?」
焚蔵「ああ。こればっかりは鬼は外、はできないな」
おふみ「良かった。焚蔵にしか見せられないからね」
まるで猫のようにゴロゴロと甘えるおふみに、俺の理性は飛びかけていた。
まさか……こんなオチがあるとは思わなかったな。
イラストはももこさんから頂きました!
鬼コスのおふみは趣味だな!?その意気や良しっ!!
すぐにバレンタインがくるのでネタを仕入れてきます!
既にももこさんからイラストもらってたりしますw
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