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 今日はうちの喫茶店を貸しきって飲み会してきます。
 喫茶店ながらも、うちの父ちゃんはあっちこっちでコックやってるので、腕はかなりのものです。
 沖縄で軍基地のランチ作ったり、飛行機の機内食作ったり、大垣城の専任コックだったり……
 我が父ながら謎な経歴多いです。そもそも何で沖縄から岐阜へ来たんだろう?

 続きで簡易小説公開。本編に入れられ無さそうなのでこっちに。
 時間軸は『竹蔵武勇伝†弐』より先のお話ですが本編ネタバレ無しなので軽く読んでみて下さい。


竹蔵「……あ? 何してんだ二人とも?」
 城内の調理場でイトとアイリーンを見つけた。
アイリーン「む、竹蔵は調理場で洗濯をするのか?」
イト「わしらで昼食を用意しようと思ってのう」
竹蔵「へー、二人とも料理できんのかよ?」
 そういえばさっき、コック達がそわそわして中庭にいたっけ。
 この二人に刃物は不相応なイメージがあるな。
アイリーン「私とイト殿の合作料理じゃ。これを口にできるとは、竹蔵は幸せ者じゃぞ?」
イト「アイリーン殿は料理が得意と聞いてのう。好物もわしと同じなのじゃ」
竹蔵「ふーん。んじゃ、期待して待ってるかな」
 リシュワットの料理を食べた時、とんでもなく美味かった。
 この国は食材も豊富だ。これはかなり期待できそうだな。
アイリーン「イト殿がおぬしの為に丹精込めて作ろうと言うのじゃぞ?」
イト「ア、アイリーン殿!!」
竹蔵「あ? とにかく、できたら呼んでくれよな」
 よく分からない料理の香が鼻についていたが、とりあえずこの場をあとにした。

 部屋に戻る途中、リシュワットと鉢合った。
 俺を見ると妙な顔つきで俺の腕を引っ張った。
リシュワット「竹蔵。すぐニワシノ部屋へ来イ」
竹蔵「あ?何でだよ?」
リシュワット「先程中庭ニいるコック達ニ話ヲ聞いタ」
 イトたちが料理をしている。という事だろうか?
竹蔵「……だから?」
リシュワット「……………………」
 何だか言葉を捜しているらしかった。
リシュワット「……コノ薬草ヲ煎じテ飲ムト良い」
竹蔵「何でだ?」
リシュワット「……………………」
竹蔵「………………?」
リシュワット「……か、体ノ具合が良くナル。心身トモに」
 ――なぜそれを今飲ませようとするんだ?
 リシュワットがそこまで言うなら、飲まなくもないけど……。

イト「おーい、二人とも~!完成じゃ~! できたぞ~!」

 遠くの方でイトが手を振っていた。
竹蔵「おっ!もうできたのか!行こうぜ、リシュワット」
リシュワット「ムッ、ムゥ…………」
 イトの料理に期待して、俺とリシュワットは食堂へ向かった。

 テーブルの上には見たことのない料理が並んでいた。
 多少は変な感じもするが、それは俺の国の基準だ。見かけで判断はしない。
竹蔵「さて、まずはスープってやつか」
 ズズッ……。
竹蔵「……………………????」
 俺は何も言わずリシュワットを見た。黙々と食べている。
 何かの間違いだと他の料理を口にした。
 パクッ。モグモ――グ、モ…………グ…………????
 喉を通る前に吐き気に襲われた。
 ――おい。どう考えても不味いだろコレ。
 何かの冗談か、そうでなければ俺を毒殺しようと目論んでいるとしか思えない。
竹蔵「おい、イト――」
イト「何じゃ?」
 そこには満面の笑みで俺の感想を期待するイトがいた。アイリーンも同様だ。
 この二人は自分の料理が不味いなどとは全く思っちゃいない。
 ――こ、こういう事か。
 この場では、不味いのマの字だって言う事は許されないのだと悟った。
 リシュワットなんて変な汗をかきながら食ってるし。
竹蔵「リシュワット?」
リシュワット「……何も言うナ、竹蔵」
 さっきリシュワットが薬草を勧めたのはこういう事かよ。
竹蔵「……分かった、リシュワット」
 俺もリシュワットに習って手を進めた。
 飲み込む前に吐き気とかとんでもないが、食うしかないんだ。
 俺達は永遠にも等しい時間を過ごす気分で食べ続けていた。

イト「どうじゃ、二人とも?」
アイリーン「美味かろう?」

 なぜこの料理でここまでいい笑顔を向けるんだろうか……。
竹蔵「……お前ら、味見したかよ?」
イト「いや。竹蔵もリシュワットも腹をすかせておると思ってのう。急いでたくさん作ったのじゃ」
アイリーン「どうじゃ?美味かろう?」
 味見しろよ! ……と、言いたくて仕方が無い。
リシュワット「流石、デございマス……」
 それでもそんなセリフが出るリシュワットは凄いよ。ある意味だけど。
イト「竹蔵はどうじゃ?」
竹蔵「……うめーよ。チクショウ」
 俺の言葉に本気で嬉しそうな顔をするイトとアイリーン。
イト「それは良かった!アイリーン殿がいて良かったのう」
アイリーン「いやいや、イト殿の料理の腕前じゃ。よいセンスをしておる」
イト「そ、そうかのぅ?」
アイリーン「うむ。良い母になれるのう」
 そんな華やかな会話をよそに、俺とリシュワットは黙々と食べ続けた。
 大量の水を流し込みながら食べているせいか、水のおかわりが尋常じゃないぞ。

イト「……さて、わしらも食べるか」
アイリーン「うむ。そうじゃな」
 その言葉を聞き、リシュワットの目が光った。
 食べるペースが一気に加速する。その姿、まさに鬼神の如く、だ。
 ――チッ、やっぱそうなるのかよ!!
 それが何を意味しているのか察すると、俺も仕方なくペースを上げた。
 イトとアイリーンが手を付ける前に、俺達はガツガツと食べ続ける。
 そして、あっという間に俺とリシュワットだけで完食してしまった。
イト「何じゃ、わしらの分がないではないか」
アイリーン「それほど美味しかったという事じゃな♪」
イト「ふむ、仕方ない。コックを呼んでわしらの分を作ってもらうか」
アイリーン「うむ、そうしよう!」
 二人は上機嫌になりながらコックを呼びに中庭へ行ってしまった。

リシュワット「……………………」
竹蔵「……………………」

 ガシッ!

 俺達は何かをやり切った事で手を握り合った。
 そしてそのままテーブルに突っ伏した。
 遠のく意識の中、リシュワットの凄さとイトの料理の凄まじさをかみ締めていた…………。


竹蔵武勇伝†他~我等ニ食エヌ物無シ~・完

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無題

美少女の料理スキルはすんごく上手いか
すんごくヘタかのどちらかでしょう!!
中庸はナシ! です(笑) きわめてナンボ。
でもにこやかにメシを勧めるお二方が素晴らしい。ある意味コワい。
それにしても相変わらずリシュワット&竹蔵、漢ですね~。
いつでも愛する女性を救うために一生懸命な
この人達が大好きですよ~。

無駄イ

本心は美少女には料理スキルあって欲しいです。
が、欠点がチャームポイントだったり、頑張って苦手を克服する様が好きなので料理下手にw
でもお茶を淹れるのは上手いんですよイト姫w

早く続きを書きたいんですがね~なかなかw
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