雨結い荘の皆杜さんから霊零感のイラストを頂いたので、「じゃ~書くべ~」ということで書きましたw
ホラー要素……ゼロ!当店はホラー要素ゼロキャンペーン実施中です!!w
どんなイラストかは本編でお楽しみ下さい。頂き物のコーナーでも展示中です。
あとブログのカテゴリを新たに設けました。
それではどうぞ~。
ブログ小説『霊感少女と零感少年。』act.3
今日の加世さんは少し機嫌が悪かった……気がする。
加世「霊感の無いただの人間には興味ありません!」
どこかで聞いたようなセリフだ。どこだったかなぁ?
徳規「ど、どうすれば……」
加世「気合が足りないのよ気合が!」
ビシッ!と俺を指差す加世さん。
徳規「き、気合!?」
そうか。確かに俺には気合が足りない。というか気合なんていつもない。
加世さんを見てみろ。いつも気合に満ちているじゃないか!
激しく燃える炎が加世さんを取り巻いているように見えてきた。
徳規「よし、気合だ!」
加世「声が小さい!イチ・ニ・サン!」
徳規「だー!……み、見える!俺にも霊が見えるぞ!?」
ふよふよと白く小さな霊が浮かんでいる。いかにも幽霊って感じだ!
その小さな霊は加世さんの周りをふよふよと回り始めた。
徳規「加世さん。霊がいるよ」
加世「当たり前でしょう。私は霊感少女なのよ」
徳規「そうか。それもそうだね」
白い霊はチョンチョンと加世さんの肩を叩いた。
加世「何よ?」
さすがは加世さん。霊の行動にちゃんと反応している。
徳規「あれ? 加世さん?」
加世さんの頭からぬぬぬぬぬっと獣の耳が出てきた。
いや、ネコミミだ!ちゃんと鈴も付いている。
加世「な、なによぉ」
徳規「加世さん。頭にネコミミがついてるよ」
加世「え? ちょ、ちょっと!どうなってるの!?」
ピクピクッとまるで体の一部のように動くネコミミ。
徳規「かわいい……」
加世「ちょっと! なんとかしてよっ!」
ピクピク。ピクピク。とネコミミを動かす加世さん。
なんとかって言っても……外れるのかな?
ちょん。と加世さんのネコミミに触れた。
加世「ふぁぅ!」
ビクビクッ!と体を震わせる加世さん。顔もなんだか赤い。
徳規「痛かった?」
加世「ううん。なんだかソコ、弱いみたい……」
あまりの加世さんの可愛さに俺も止まらなくなっていた。
加世さんのネコミミを優しくつかんで、クイクイと動かしてみる。
加世「ぁ、ダメよ……」
鼻血が出た。
徳規「……という夢を見たんだ!」
俺は今日見た夢を加世さんに語っていた。
その可愛さと言ったら語りきれないくらいだ。夢なのがホントに残念。
加世「…………ハァ~」
凄くいい夢を語ったはずなのに、加世さんはなぜかため息をついていた。
加世「気合とかネコミミとか……何をどう言っていいのか分からないわ」
頭に手を当てて首を振る加世さん。
徳規「え?霊感でしょ?」
加世「そんなわけないでしょ……だいたいね。霊というものは――――」
俺に分かりやすく説明しようとする加世さんは、やっぱり優しい。
説明中の加世さんの顔を眺めていると、ふと頭の方に目がいった。
加世さんの頭の上に二つの盛り上がり。――まさか!?
徳規「ネコミミ!?」
加世「え? あ、ちょっとっ!?」
顔を赤くしてまるで夢と同じような反応をする加世さん。
加世さんの頭に触れるとそれは髪の毛だった。
そう思ったとき、目の前に加世さんの拳が飛んできた。
べきこんッ!!
徳規「いっててて~!」
加世「これは寝癖よ!もう!!」
徳規「あれ?どこに行くの?」
加世「直しにいくに決まってるでしょ!」
加世さんは両手で寝癖を押さえると、教室から出ていってしまった。
直しにいくって、家に帰るのかな?まさか!霊感で直せるんじゃ!?
太田「……なにやってんの?」
一部始終を見ていたのか、隣のクラスの太田宏人が声を掛けてきた。
徳規「うーん。夢の話をしていたはずなんだけど……?」
太田「徳規は変わってるね~。嘉名(かみょう)加世さんだっけ?あんな近寄りがたい女子に告白するんだもんなぁ」
徳規「近寄りがたい?」
太田「学年トップの成績で、おまけに霊感持ってるって噂じゃないか。本人からも壁を作ってるように見えるしねぇ~」
徳規「壁なんてあったかな?」
太田「……これだもんなぁ~。よくやるねぇホント。まぁ応援はするけどさぁ」
それだけを言うと、太田は自分のクラスに戻っていった。
まるで俺が変みたいな言い方じゃないか。
真面目で勉強ができて運動もできる。見た目も凄く美人だと思う。
テキトーで勉強もロクにやれない俺とは大違いだ。
……でも、俺がバカやってる時に見せる笑った顔や困った顔が好きなんだ。
俺なんかじゃ釣り合わないかもしれないけど、ずっと好きでいたい。
ずっとずっと…………あぁっ!
加世「ふぅ……」
髪を少し濡らして加世さんが戻ってきた。
俺はそれを見つけてすぐに、加世さんの所へ走った。
徳規「加世さん!」
加世「な、何よぅ……」
徳規「まだ付き合って欲しいって告白した返事、もらってなかった! いやぁ、うっかりしてて――」
シーン。
徳規「――あれ?」
俺は今になって教室内が静まり返っているのに気が付いた。
どういうわけか、みんな俺や加世さんの方を見ている。
――あれ? 俺、何かしたかな?
加世「も、もう!」
加世さんはなぜか怒って両手を強く握って上から下へ振っていた。
――フラれちゃったかな。
そう覚悟した。したのに。加世さんは怒っていなかった。
視線は逸らしたまま。
でも頬を染めて、俺の手を取った。
俺は心臓が爆発しそうなほどドキドキしていた。
加世さんはゆっくりと俺の方に視線を移した。
加世「い――――――」
俺の心臓はもう爆発寸前だ!
徳規「……という夢を見たんだ!」
俺は今日見た夢を加世さんに語っていた。
徳規「あれ?」
しかし、いつの間にか加世さんはいなくなっていた。
徳規「……まぁ、いいか」
どっちの夢も俺にとって凄くいい夢だったんだし。
やっぱり加世さんが好きなんだなぁと再確認できて満足だ。
徳規「終わり。」
イラストを貰ったら書くという習慣になってないか、俺?w
ダブル夢オチは初めてでしたけどねw
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無題
ビックリしました。
ネコミミいいですねぇ・・・
素晴らしいです!
みゅでゃい
>ネコミミいいですねぇ・・・
>素晴らしいです!
ネコミミ評判いいですよ~。
シャズさんの描くネコミミも見たいですね~。是非是非^^