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やっぱり書く事にしましたw出し惜しみ無しで行くのが信条なのでw
私の名前は嘉名 加世(かみょう かよ)。 霊感を持つ人間。
……望んでなったわけじゃないけど。
私が霊を感じる。ただそれだけの理由で死を悟れない霊たちがやってくる。
放課後の校舎で、それはいつものようにやってきた。
徳規「加世さーん!」
名前は椎野 徳規(しいの とくのり)。
霊感どころか、それ以外のことも感じられない零感男だ。
私のカバンが彼の顔面にクリーンヒットした。
加世「少しは人目を気にしてくれるかしら?」
徳規「はひ。気うぉ付けましゅ……」
その様子をクラスメイトはクスクスと楽しそうに笑っていた。
――おかしい。こんなはずじゃ……。
霊感を周りに知られてからというもの、私を見る周りの目が変わった。
変わったはずだった。なのに……この徳規という男子が来てからまた変わってしまった。
男子A「プッ。またやってるよあの二人」
男子B「夫婦喧嘩なら外でやれよなー」
女子A「加世さんも馴染んできたね~」
女子B「愛の力ってヤツね」
――ホントに、こんなはずでは……。
私はこのクラスで空気のような存在だった。そうであることを私も望んでいた。
学年トップクラスの成績という肩書きもそれを後押ししてくれた。
なのに……なぜか私を見るクラスメイトの目が柔らかくなっている。
――それは……なぜ?
徳規「一緒に帰ろう、加世さん!」
加世「……だから。声、大きいってば……」
半ば諦めたように私はそう言った。
やっぱり、変な男だ。
加世「だいたい。方向違うじゃない。微妙に」
徳規「いいからいいから。早く帰ってもやること無いしさ」
加世「……勉強しないさいよ」
やっぱり変な男。
このままごねられてもこっちが困る。
そう思った私はとりあえず、教室を出ることにした。
すると、女子の一人が私を手招きした。
一麦「嘉名さん。こっちこっち」
一麦 千弥子(いちむぎ ちやこ)。霊感を持つ私に対し、他と変わらず接してくれた唯一人の子。
クラスでは麦ちゃんと呼ばれて親しまれているが、私が言うのは……やっぱり変だろうな。
加世「え?」
一麦「いいからいいから♪」
彼女は無邪気に私の袖を引っ張ると、女子の輪へ連れてきた。
そこには机の上に紙が置かれていた。
五十音の“あ”から“ん”までの文字が紙のふちを囲って書かれ、真ん中には鳥居の記号。その鳥居を囲むように“はい・いいえ”“男・女”が書かれていた。
俗に言う「こっくりさん」というものだろう。他の女子が十円玉を人差し指を添えている。
低級の霊を参加者の誰かに憑依させて行うものとされている。が、私から見れば低級という位置付けがよく理解できない。この世の未練の重さを言うのだろうか?
どちらにしろ、私はこの手のものを信じていない。
自己暗示。もしくは指を支点にすることで筋肉が疲労し、参加者のちょっとした動きの重なりから動いてしまうものだと私は思っている。
女子A「こっくりさん、ありがとうございました。お帰り下さい」
こっくりさんをしている女子の指が触れる十円玉が鳥居の方へ向かい、停止した。
「ふぅ~」と、女子達は疲れたような声を出していた。
一麦「ねえ。次は私たちがやろうよ。いいでしょ?」
徳規「面白そう。やるやる!」
私の意見を聞くまでも無く、こっくりさんをしていた女子は席を立ち、一麦さんと徳規くんは席に座った。
一麦「さあどうぞどうぞ~」
一麦さんは隣のイスを引いて私を向かえた。
なし崩し的に、私はイスに腰を下ろし、参加することになった。
女子A「あの嘉名さんならきっとすごいわよ」
女子B「うんうん。十円もきっと早く動くね!」
女子C「やってる時に憑依しちゃうかもよ~」
などと、後ろで勝手なことを言ってくれるさっきの女子達。
――そう言われると逆に動かしたくなくなるんだけど……。
一麦「途中で指を離さないでね?」
一麦さんはノリノリだ。徳規「よ、よし!」 こんな遊びに真剣そのものな二人。
十円玉に人差し指を置き、私を見た。
……もう、好きにして。
私もそれにならい、指を置いた。
一麦「じゃあ嘉名さん。こっくりさんを呼んでみて」
加世「私が?」
一麦「場の空気がそう言ってるみたいなの」
……ホントだ。なんだか残ってるクラスメイトまでこっちを見てる。
加世「わかったわ。こっくりさん、こっくりさん。おいで下さい……」
ぬぬっ。と、指の第二関節がふるった。変な感じ。
一麦「こっくりさん。おいでになられましたか?」
………………。
…………。
……動かない。
徳規「俺が零感男だからかな?」
加世「それ、関係ないと思うけど……」
徳規「ちょっと指離してみていい?」
一麦「う~ん。まだ来てないかもしれないから、いいんじゃないかな?」
割と簡単にルールを無視する一麦さん。いい性格しているわね。
徳規「じゃあ、ちょっとだけ――」
徳規くんが指を離した瞬間。私と一麦さんが触れる十円玉は物凄い速さで“はい”を指した。
徳規「やっぱり!?」
なぜか嬉しそうに言う彼。筋金入りの零感は健在らしい。
一麦「椎野くんが原因ですか?」
十円玉は“はい”の場所から動かない。
一麦「どうしてですか?」
十円玉はまるでそういうゲームであるかのようにパパッと瞬時に移動した。ホントどうなってる?
そして“ぜ・ろ・か・ん”と文字を指した。
徳規「ゼロかんじゃない!零感と書いてレイかんだ!」
加世「外野。うるさい」
徳規「えぇ~」
一麦「それよりこっくりさん聞いて下さい!」
ひどく残念そうな顔をする彼は置いといて、一麦さんは楽しそうだった。
その表情は周りの者もそうさせるのか、こんな陳腐な遊びだというのに不思議と悪い気はしない。
同級生の子と遊ぶというのが、私にはとても久しぶりだった。
ややオカルト的ではあるものの、今の所は全く変化がない。
女子A「なんか……ふつうだね」
女子B「うん。何にもおきないね」
女子たちはそう言って出て行ってしまった。
周りのクラスメイトもそれにならう様に教室を離れた。
そして私たち三人を残し、教室はカラッポになった。その自然な不自然さが、気に掛かっていた。
一麦「じゃ~次は何を聞こうかな♪」
徳規「ハイッ!テストのヤマを教えてください!」
しかし、一麦さんも徳規くんもそれに気付いていない。
どうしてそんなに夢中になれるのか。
でも、周りに霊の類の気配が無いのは事実。取り越し苦労に違いない。
一麦「よし! 嘉名さんの結婚相手の名前を教えてください!」
加世&徳規『ええええぇっ!?』
私と徳規くんは同時に声をあげてしまった。
自然と目が合う。しかし、私はすぐに視線を切った。
自分でも顔が熱くなってるのが分かる。
――だってしょうがないじゃない!彼があんなこと言うから……。
私は彼に告白されて、二回も付き合って欲しいと言われているのだ。
その二度とも、何とかはぐらかしてきたけど……。
彼が何も言わないのが私にはとても重い。
一麦「動いた!」
一麦さんの言葉に視線を落とすと、さっきの速さはどこへやら、十円玉は“と”へ向かってゆっくり動いていた。
……これ、一麦さんが動かしてないよね?
そして“と”へたどりついた瞬間。十円玉からバチッと電気が走った。
錯覚かもしれない。しかし、私は十円玉から指を離していた。
一麦「あぁ~離しちゃった!」
徳規「加世さんとり憑かれちゃう!?」
加世「いつものことでしょう、それは」
徳規「あ、そうか」加世「それより……」
私は再びこっくりさん用の紙を見た。ある疑問が私の中に芽生えてきた。
加世「ちょっとどけて!」
私は無理矢理に一麦さんの手を十円玉から引き剥がした。
さっきのこっくりさんの回答と今の“と”の位置を確認する。そして更に前の回答を確認して、それが確信に変わった。
加世「やっぱり……さっきとその前の文字を辿っていくと……☆のカタチ!」
……みしっ。
意味も無く足下が軋んだ。そう思った時、天井にはキツネを象ったモヤができていた。
キツネの霊は執念深く、動物霊の中では蛇と同じくらいに厄介だ。
一麦「寒い。ゾクゾクする……」
彼女もなんとなく何かを感じているのだろう。寒そうに体を抱いている。
徳規「そうかな?」
もはや彼についてはノーコメント。
加世「二人とも、ここから離れて!」
一麦「で、でも。☆は厄払いでこっくりさんに呪われた時に使うものじゃ……」
ホントに色んな通説があって感心してしまう。
加世「一番霊感のある私から見ると☆は逆。つまり逆五芒星。呪術や悪魔の儀式に使われるものなのよ。それを霊感のある私に書かせた……」
こっくりさん用の紙は文字の配列や単語の種類は人によって違うものだと聞いている。
それが今回のはやや丸く配列されて、どれもこれも紙の中心から見て読めるように書かれている。
専門外だけど、儀式の魔方陣なんかがこの仕様だと本で読んだ事がある。
それに「こっくりさん、こっくりさん」と二度連なるこの言葉が、私には一種の呼びかけの言葉にも聞こえていた。こっくりさんを呼ぶ言葉ではなく、扉を開くような韻を感じさせる。
こっくりさんの遊びが噂通りに霊を呼び寄せるものだとしたら……。
それら推測がどこまで正しいのかは分からないけれど、天井に狐の霊が無数にはびこっていた。
数はおよそ百匹。だんだん立体的に見えてくる。
一麦「何かに、見られているみたい」
徳規「ふ~む……俺だけ蚊帳の外みたいだなぁ」
一麦「天井!? な、なんかいる!?」
彼女はとうとう体全体を震わせていた。
霊感の有無に関わらず、あっちが目標を見定めることができたなら、簡単に取り憑かれてしまう。
それは零感な彼も例外ではない。
私はすぐに清めの塩と数珠を取り出し、模様だけで無字のお札を二人に持たせた。
しかし、私が数珠を手に嵌めた瞬間。数珠の紐は脆くも千切れ、数珠が床に散らばった。
加世「気に入らない、わね……」
私の霊感が強ければ強いほど、相手から影響力も大きい。
なにより数では圧倒的に不利。ここで逃げ出してしまうか……いや、これほどの霊を呼び寄せて放置するわけにはいかない。
幸いにも、こっくりさんの紙を入り口としてこちらへ出でようとしてるのものの、そのキツネの霊たちは尾を引いたようにこの紙に繋がっている。
つまり、この紙をどうにかすればいいはず。
加世「こっくりさんが終わった後は、燃やすのよね?」
一麦「う、うん。燃やさずに捨ててしまう場合が多いと思うけど……」
こっくりさんという儀式を盛り上げるための行為ともとれる。けど、もともと火には退魔のチカラがあると古くから言われている。
なら、この紙を燃やしてしまえば、きっと……。
私はカバンからマッチを取り出した。誤解するなかれ、さっき述べたようにいざという時、退魔するために持っているのだ。
一本のマッチに火をつける。……が、棒の先端が削れるだけで火が付かない。
もう一本。これも同じ。
もう一本。やはり結果は同じだった。
マッチ箱の着火部分は何の問題も無い。やはり、何かしら影響を受けているのか。
徳規「霊感で火出せないの?」
加世「こんな時に!冗談言わないでよ!」
徳規「冗談?」
……本気、なのね。
こっちは焦ってるのに、彼は何でもない顔をしている。やっぱり彼って――。
徳規「ライターの方がいいんじゃない?」
加世「あれば苦労しないわよ!」
徳規「あるよ。ホラ」
そう言って取り出したのはキャラクターのイラストがついているライター。しかも二つ。
徳規「あ、喫煙はしてないよ?隣のクラスの太田がさ~」
加世「そんな話はいいから!貸しなさい!」
半ば強引にライターを奪い取ると、すぐにライターの火をつけた。 しかし、カチカチと火花が散るだけでとはつかない。徳規「あれ?そんなはずは……」
ジボッ!
私がこれだけ苦労して火をつけていたというのに、彼は小憎らしいことにあっさりつけてくれた。
しかし、そんなことに構っている場合じゃない。
加世「早く!」
徳規「え?うん……」
彼のライターの炎へ、こっくりさんの紙を近づけた。
ジッ、という音ともに引火すると、その紙の大きさからは想像もつかないほどの巨大な炎が上がった。
その炎の音は何かの断末魔の音とも聞こえるようだった。
加世「あなたの目からはどう見えているの?」
もしかしたら彼には普通の火にしか見えていないのかもしれない。
そんな興味がわいていた。
徳規「大きな炎が見えてるけど……え?これ、タネも仕掛けもあるの??」
と、そんな感想を言ってきた。やっぱり、この雰囲気にまったく動じていない。
しかしそれが、この危機を救ったといえる。
私のような霊に敏感な人や一麦さんのように並みの感性を持っていれば、この恐ろしい雰囲気に呑まれて、つくはずのライターもつかなかった。
けど、この雰囲気すらまったく感じられない彼にとっては、何でもない所で何でもないライターをつけるようなもの。
霊的なものが、いかに人の心と体に作用しているのか、彼が身を持って教えてくれたのだ。
もっとも、彼にその自覚はないのだけれど……。
一麦「消えた……」
あれだけ激しく燃え盛っていた炎も、天井にうごめいていたキツネの霊ととも消えていた。
まるで消滅するかのように、一瞬のこと。
一麦「あ、そうだ!このままだと先生きちゃうかも!?早く逃げよう!」
そう行って真っ先に教室を飛び出る一麦さん。
私はその後姿を、しんみりと眺めていた。
徳規「加世さん!」
いつもと変わらぬ彼は、私の手を引いて教室から出た。
いつもと変わらぬ変な男の背中は、妙に頼もしかった。
~~~次の日~~~
私は今日、学校へ行きたくなかった。
昨日、あれだけのことをして、一麦さんの私を見る目が怖かったから。
彼女からクラスへ私の噂が流れているに違いない。
それでも、私は学校へ来た。いつものことだと言い聞かせて……。
徳規「加世さーん!」
それでも彼だけは、いつもと変わらぬまま。
ほんとに、変な男だ。
加世「……頼むから。大声出さないで」
徳規「あれ?」
一麦「かぁ~よさぁん!」
ムギュ。と後ろから私に抱き着いてきたのは一麦さんだった。
彼女のことで悩んでいたのにこんなことをされて、私は目を丸くしてしまった。
一麦「昨日は凄かったね!あれはホンッッットに怖かった!
」加世「あ……うん。一麦さん……なんとも、なかった?」
一麦「うん。なんともなんとも。朝起きたらもう、教室行くの楽しみでさぁ。半分怖いけど。大丈夫。昨日のことは誰にも言わないよ~」
切り替えの早さが恐ろしく現代っ子なんだ、きっと。
私はホッと胸を撫で下ろした。
一麦「先に行って確認してくる!」
私から離れて走り出す一麦さん。
彼女はニ、三歩駆けたところで慌ててこっちに振り返った。
一麦「麦ちゃんでいいよー!加世さーん!」
それだけを言うと、再び走って行った。
そういえば彼女、私のことを名前で呼んでいた。昨日までは苗字だったのに。
それが嬉しかった。けど……麦ちゃんって、私の柄かしらね?
徳規「ハハ~。変なヤツ~」
加世「それ、徳規くんが言ったらダメでしょ」
徳規「え?なんで??」
そういえばもう一つ気になる事があった。
もしあの逆五芒星が意図的に書かされたもので無く、ただの偶然だったとしたら。
私の結婚相手の名前は、“と”から始まる者なのだろうか……?
まず最初に。名前お借りしました!もう、オリジナル小説恒例になってるかもしれませんw
ドラゴンボールサイトの管理人。いちさんと麦ちゃこさんから名前を拝借しました!
いち・麦ちゃこ→いちむぎちやこ→一麦 千弥子。う~ん、無理ヤリ感あるかな?w
お二人とも楽しいイメージあるのでw……あとで許可貰ってこよう……。
しかしこの霊零感。短くしよう短くしようとは思うものの。なかなか上手くいかないです^^;
今回のホラー率はどうだったのかな?結構、軽くしたんですがね。
サイトの方に乗っける時はトコトンホラーにしたいなぁ~と最近思ってきましたw
いやね。限りある描写でというチャレンジ的な意味ではこのブログ小説はいいんですが、ホラー描写にもチャレンジしたくなるんですよね~。
まぁこの形式がやりやすいので、サイトでもやるかはわかりませんがねw
というわけで、第四話でした。
無題
多少長めでしたが、サクサク読めました。
改行が無かったので、少しばかり読み辛いかな?
とは思いましたけども。
ここでもくるか零感!
と、零感のすさまじさにビックリしてます。
何も感じないからこそ、強い。
コックリさんは定番ですよねw
逆五芒星ktkr と思った私は異端。
まぁ、描写に関しては全然大丈夫です。
怖さはあまりないと思いますよ。
ガチホラーになると、どんな事になるのか・・・
Re:無題
レイレイのがいいですよマジでw
しかし、書いてる本人としては自分だけわかってるような表記はアレかな~と思うので、短くても霊零感にしようかとw
一応、管理人なのでw
ガチホラーにするなら……実を言うと少し省いた部分あるんですw
そのせいであまりキツネの霊というらしさが出てこなかったんですよね。
本当なら一麦さんには取り憑かれてもらい、それを霊感零感の二人に見てもらいたかったんですが……
やっぱり苦手だという方がいらっしゃるので自重しておきました。
そしてシャズさんには謝らなければなりません!誰か焼き土下座もってこい!
ホントにすみませんでした!
投稿したときはもちろん、改行してあったのです。
続きの文書欄に書いてると段々重くなってしまい、続きじゃないほうで一度書いて、それを続きにコピッペするというやり方でやってるんですが、
最初の投稿では大丈夫だったのに、いざ更新押してみるとダメだったっぽいです。その結果が無改行に><
これは対策を考えなければいけません!
ホントにお見苦しいところをお見せしました!m(__)m