イナの名前に続き、タイトルも決まりました!
その名も……『-抜然人活劇- イナ ~勇剣姫伝~』です。
読み方?ばっさりと読んで見てください。
え?だからばっさりですって!
「抜然人」と書いて「ばっさり」と読んでくださいwww造語乙w
ブログ小説『-抜然人活劇-イナ~我が名はイナ!~』
偶然見つけた野盗のアジトらしき小屋。
そこへホイホイ入って行くと、野盗たちはイキナリ入って来たあたしに驚いていた。
中には食べていた肉を喉に詰まらせるヤツもいた。なんと肝の小さい事じゃ。
????「オイ、コラ。お前達!」
野盗1「何だよお嬢ちゃん。ここは遊び場じゃないんだぜ?」
野盗2「幼いがよく見ると美人だな。オレと遊ぼうぜ~」
野盗3「その前に身包み剥いで金目のモノをだな?」
お決まりのパターンにうんざりしつつ、女をどうこうする男達に腹が立った。
????「この前の野盗の仲間か?」
というか三人で連れあうのがルールなのだろうか?
野盗3「あ? 俺たち野盗じゃないぜ?」
野盗2「そうそう」
野盗1「俺たち出来立てホヤホヤの盗賊団だぜ?」
なぜか誇らしげにシンボルマークを掲げる盗賊たち。
三人で団って使うんだっけ? いや、そもそもそのシンボルマークがスパゲッティなのはなぜじゃ??
????「じゃ~ここのボスはお前か?」
野盗改め盗賊1を指差す。
しかし盗賊三人は互いに見合って首を振った。
律儀すぎる。こんな珍客の質問にホイホイ答えるものか?
盗賊1「それよりお前は誰なんだ?」
????「キタぁーーーーー! よくぞ聞いてくれたぁー!!」
バチコンッ! と豪快に盗賊1をアッパーカットすると、盗賊1は天井にめり込んだ。
盗賊2「テメェ!!」
盗賊3「何しやがんだ!」
????「黙れぇ! そして聞けぃ!!」
あたしの気迫に盗賊たちは「うっ」と声を漏らして押し留まった。
イナ「我が名はイナ! イナ・シルバチオ・ボルダーン! 悪を断つ剣じゃ!!」
――あたしのブログ小説が始まって三回目。やっと名を名乗る事ができたぁ~。
名乗りを上げられた嬉しさにプルプル震えてしまった。
ちなみにイナは本名だが、苗字は偽名じゃ。
盗賊2&3「ふざけるなぁ!!」
イナ「お? 来るか!」
盗賊2と3はロングソードを取り出すと、あたしに斬りかかってきた。
しかし剣を構える時、どうもフラフラしている。
イナ「何で? その剣そんなに重いの?」
盗賊2「お、おうよ。こいつは特別製だぜ?ロングソードより長さも幅も一回り大きい」
盗賊3「しかも斬れ味抜群よぉ……ちょっと重いけど」
だからなんでそんな律儀に答えてくれるのか……。
イナ「せっかくの特別製が、残念じゃのう」
盗賊3「なんだとぉ!?」
ザンッ!
イナ「ほれ。真っ二つじゃ……」
愛刀の斬巌刀(ざんがんとう)の一閃で、野盗二人の持っていた剣を両断してやった。
盗賊2「ロングソードの一回り二回りどころじゃねぇ!!」
盗賊3「二倍……いや、三倍はある!!」
あたしの斬巌刀はその気になればあたしの身を隠す事ができるくらいの大きさだ。
最近また胸が大きくなってきたから、ちょっと危ういが…………不便なものじゃな。
イナ「しかも使い手は超一流じゃぞ?」
盗賊2&3「ヒィイイイ!!!」
イナ「さて、バッサリ行くかのう? バッサリバッサリとぉ~!」
ぐるんぐるんと狭い小屋の中で斬巌刀を軽々と振り回す。
?「……待て」
どこからか声がする。……天井裏か?
イナ「誰じゃ!?」
天井に目掛けて一刀両断する。
バラバラと天井の破片が落ちてくる中、一人の男が飛び出してきた。
物凄い速さで蹴りを入れてきた。
ドガッ!
返す刀でそれを防ぐと、男は更に斬巌刀を蹴って離れた所へ着地した。
イナ「ほぅ……」
こやつは手強い。とても盗賊の一人とは思えないくらい訓練されているようだった。
――いや、最悪……殺されるか?
?「こいつらの命まで取る事はない」
イナ「仲間か? 名を名乗ってはどうじゃ?」
もっともさっきのあたしのようにかっこよく名乗れはしまい。
さっきのあたしはパーフェクトじゃ!
男は一見すると無防備にも、しかし警戒したままスッと口に巻いていた布を外した。
鉈丸「この辺りの賊を仕切る者……鉈丸」
ずっきゅーーーーんッ!!
私はナタマルと名乗った男を見て衝撃を受けた。
――くそぉ、カッコイイ。カッコ良過ぎるぅ~!
鉈丸「こいつらは俺が預かる……」
イナ「あ、よ、良かろう……」
なんという、シンプルにして敵ながらカッコイイ名乗りじゃ! しかも低い声が尚渋い!
…………しかし男なら遠慮なく斬れるのう。
しかし、まだ負けを認めた訳じゃない!
イナ「あたしは!……」
負けじと名乗りを上げようとした所で、ナタマルは小さなため息をついた。
鉈丸「……知っているぞ。お前の親父も、だ」
イナ「う、あ、お、い、えええええええ!?」
あんの親父は盗賊にも知り合いがおるのか!?
というか顔だけであたしの正体バレてるのはなぜじゃ!?
イナ「何者じゃおぬし!?」
鉈丸「……チッ。面倒な…………」
音もなくナタマルは飛び上がると、一足のうちに天井まで飛び上がった。
そしてそのまま天井に穴を開けて出て行ってしまった。
イナ「ぅお! 逃すかぁ!!」
あたしは斬巌刀を抱え、外へ飛び出した。
盗賊2「……どうしよう。俺たち」
盗賊3「故郷に帰って畑でも耕すか……」
あれから荒地を超え、森へ入るがナタマルとの距離が縮まらない。
こっちは全力で走っているというのに……
イナ「なんて足の速いヤツじゃ!」
鉈丸(…………チッ)
イナ「待て待てぇーい!」
ナタマルは懐から小さな袋を取り出すと、無造作に放り投げた。
それはパンッ! と軽い音を立てて煙を上げた。
イナ「しまった! 煙幕か!?」
それでも走り続けたが、とうとうナタマルという男を見失ってしまった。
――くぅそぉおおお! 絶対に見つけてみせるぞ! 絶対じゃ!!
そして名乗ってみせる! あたしの名乗りの方がかっこいいと認めさせるために!
あたしは超えるべき人間をもう一人、見つけたのだった。
懐かしいヤツを出してみました。
鉈丸がどういう経緯でこうなったのかは、まだ竹蔵武勇伝が途中なのでコメントは控えさせてもらいます。
しかしまぁ、イナは名前だけでなく、キャラもこれで決まったなぁという感じがする一本でしたww
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