竹蔵武勇伝†弐の第七幕があらかた書き終わりました。
公開まであと少しお待ち下さい。
今回は書いてる途中、いつもと違う感覚でした。
なんていうか…………あ、いかん。ネタバレするやも。続きに格納しときます。
なるべくネタバレしないように説明すると、今幕のラストで竹蔵が戦います。
武勇伝なので、それに相応しい大舞台です。
ふと、それを書いてる時にいつもと違う感じがしました。
よくキャラが勝手に動く。動かされている。という感じがしていました。
キャラが動きたいようにこちらが動かしてあげる。そんな感覚が以前はありました。
でもそれは自分の中にあるキャラクターに任せていたに過ぎないんですね。
今回書いていて、以前までの“キャラが動く”という感覚が今とは違う風に感じました。
……なんていうか、キャラが動くのではなく浸透するというか、とても透明になる感じですかね?
おお、言っててよく分からんぞwでもそういう感覚なんですよね。
一人称視点で書いていると、そのキャラを中心になってなり切って書くんですが、そういうのとも少し違う感覚か。キャラが乗り移る。トランスする。そんなものでもないです。
キーを打つ指から先以外が僕の物じゃなくなるような感覚か……いや、それよりももっと透明でリアルで、イメージしたものを書くのではなく、イメージしているものが書いているような……。
考えずに書いている。いや、違うか。なんだろう……言葉にいい表せれない感覚でした。
昔は執筆中は音楽が欲しかったのに、今ではあまり必要としません。
書くテンションを意地するのに音楽はありがたいのですが、集中を超える熱中には必要がないんです。むしろ書き手としての自分が、書いている作品との対話に邪魔になっている感じですね。
かと言って、周りの騒音も書いている時はそんなに気にならないです。
近頃では特に集中することができるようになり、執筆持続時間も時間が許す限りできるようになりました。最大では13時間ですね。
こちらが書く。書いたものを自分が読んで“受ける”。また書く。……というのを繰り返していたとしたら、今回の執筆ではその書く量と受ける量が多かった気がします。
自分で自分の作品と対話をしているような、そんな感覚ですね。一字一句は記憶していなくとも、作品の隅々までを把握できているような、そんな感覚です。
竹蔵の身になって書いているのに、普段勝手に動いてくれるはずの竹蔵がいつもの所にいなくて、もっと近くにいて、その身になるまでもなく書いている感じか。
“キャラが動く”から書かされているという感覚が皆無でした。
キャラが動くというのは自分の中でそのキャラクターの確たる形ができているものを指すのだと気付きました。だから思うとおりに動いてくれるし、動かしやすい。
なのに今回は動いているという感覚も、動かしているという感覚もないまま、それでも自分の思うとおりに、自分の中の竹蔵自身も思うとおりに、書く事ができました。
文体、文法とか誤字とかにも気を払っているのに、それらの注意が作品を作るのに邪魔をしていない。そっちに気を回しているのに、竹蔵の身になりきれている。
なりきれるという言葉すら遠いほどに近くなっている。そんな感じです。
これが本当の“キャラが動く”という感覚なのか、それとは違う感覚なのかは分かりません。
ただ、小説を書くということ。その行為に対する姿勢が随分変わった気がします。
僕の中ではもう、限界近くまできていたと思っていた作品への姿勢、集中力が本当に小さく感じてしまうほどでした。それくらい、書く事がナチュラルになっていました。
書こうとするから書くのではなく、書こうとするのと書いているのが同じ位置にいて、書くというのが結果的についてくるかのように感じました。
本当に書く事が、作品が限りなく透明でナチュラルで、あるがままの姿で同化しているような感じです。自分の一部であって、自分の全てであるような感覚ですね。
この竹蔵武勇伝という作品を書き続けてきた結果、本当に書くという事をこの作品から教えてもらった気がします。そして更に前以上に書く事ができると思えました。
それは傲慢な考えとか天狗になっていると言われるかもしれません。けれど、僕の中には確かに、そうすることのできる何かを見つけられました。
今の僕が竹蔵武勇伝を書きなおしたら、内容はそのままでもかなり違ったクオリティの高い作品となる気がします。(既に過去の作品なので書き直しはしませんが)
今回は書く事の可能性を、自分の中で更に広がったように思えます。
物書きとしての階段があるのなら、自分の中で一歩上へ行けたような確かなものを感じました。
書く事の楽しさもそれに合わせって一歩上へ上がってしまいましたw
かなり長くなってしまいましたが、ここまで読んでくださってありがとうございます。
まだまだ上を目指して書き続けたいと思います。自分の中で、更なる上昇を信じて……
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