ふいに書き殴りたい衝動に駆られて書いてしまいました。なので読み難いかもです。
ブログ小説『-抜然人活劇- イナ ~イナと叔母~』
あたしはまだ父上の故郷。叔父上の家で厄介になっていた。
叔父上である焚蔵殿を叔父と呼ぶ事に父上は納得いかない様子だった。
竹蔵「あいつの事を兄なんて呼びたくないね」
父上の姉の夫なら、義兄に当たるはずなのに、父上は頑なに兄と呼ばない。
そのせいか、あたしが叔父と呼ぶのも気に入らないらしい。
思ったより子どもっぽいようじゃな。父上は。
まぁ確かに、叔父も叔母も年齢より若く見えるのもあって、叔父や叔母と呼びにくい。
あたしは自然とふみ殿。焚蔵殿と呼んでいた。
ぷみ「イナぁ! しょうぶだぁ!!」
あたしの腰くらいの身長しかないイトコのぷみがあたしに勝負を挑んできた。
ぷみはふみ殿をそのまま小さくした感じだ。
これが可愛いことに頭を押さえると手が届かない。
ブンブンと腕を振り回すが、一向に届きそうになかった。
イナ「おー、可愛いねぇ」
ぷみ「くのぉ!このこのこのぉ~!!」
イナ「あたしの胸にも届いてないじゃないか」
ぷみ「むっかー!えいえいえいえいっ!」
やっぱり届いていない。妹が生まれたらこんな感じなのかのう?
ふみ「おや? うちの子と遊んでくれてるのかい?」
ぷみ「ちがうよ、おかあさん!しょうぶしてるの!」
イナ「……だ、そうです」
ぷみ「おかあさーん。ぜんぜんあたらないぃ~」
ふみ「じゃあ、つぎは私と遊ぼっか?」
ぷみも含めて三人で遊ぶのかと思ったが、ふみ殿はぷみを下がらせていた。
まぁぷみとは散々相手してきたし、たまにはふみ殿と遊ぶのも面白そうじゃ。
イナ「何をします? お手玉など――――」
ヒュンッ!
ふみ殿の蹴りがあたしの顔目掛けて飛んできた。その寸前で蹴りを止めるふみ殿。
イナ「これは驚いたのう」
もうそれなりの歳だというのに、そこらへんの男以上の強さを感じる。
ふみ「どう?」
あたしの中の闘争心がかき立てられていた。
負けず嫌いなのじゃ、あたしは!
イナ「面白い。斬巌刀を使いませんからご安心を」
刀の無いハンデを背負うというちょっとした挑発。
しかしふみ殿はそれを聞いて笑って頷いていた。
ふみ「よろしい。身内で命のやり取りなんて、もうしたくないからね」
イナ「うむ? では参ろうかのう」
大人の男でも振りかぶれない斬巌刀を操るこの腕力なら、素手でも自信があった。
ふみ「もう若くないからね。軽くいくよ?」
軽くいくよといい終わらない内にふみ殿の手が目前に迫っていた。
これを右手で払った。
……はずだったのに、まったく妨害できなかった。
イナ「うわっ!」
ギリギリの所で首を逸らしてそれをかわした。
ふみ「まだまだ!」
次に右足から回し蹴りが襲い掛かる。続けざまにしては遅い動きじゃな。
あたしはここで一気に間合いを詰めた。
イナ「隙あっ――あり?」
ふみ殿の回し蹴りは一瞬消えたかと思うと、上からカカト落としのモーションに変わっていた。
――いつの間に!? しまった!罠じゃ!
意図的に遅い動作をしていたのだ。その動きで目が慣らされてしまい、次の行動が更に早く感じる。
ゲシンッ!
驚異的な速度で振り下ろされるカカトを、避けられないとふんだあたしは両手でそれを受け止めた。
振り下ろされたカカトはあたしの制止をもろともせず、あたしの頭にヒットした。
それでもそれがワンクッションとなり、威力を抑えることができたらしい。
ほとんどダメージがない。
イナ「ちょいなっ!」
あたしは反撃に蹴りを繰り出した。
ふみ「なんの!っ」
しかし、ふみ殿は最小限の動きでそれを払っていた。
互いに相手の攻撃を見切りあっていた。
イナ「さすが父上が恐れるだけはあるのう」
ふみ「イナちゃんのお父さんはもっと強かったよ?」
イナ「む、それを言われたら手加減はできぬなぁ」
あたしは斬巌刀をイメージして手刀を左の腰へ置いた。
刀こそ持っておらぬが、抜刀の構えを取った。
これをやるのは初めてじゃが、まともにやっては勝ち目が薄い。
あたしは剣を持っているイメージをしてみた。
イナ「まるであたしに流れるふみ殿の血が、あたしを強くさせるようじゃ」
ふみ「……そう、かもね」
一瞬ふみ殿の顔色が変わった。かと思うと、真っ直ぐ突っ込んできた。
その速さは今までの比じゃない。だが、斬巌刀を持っていたら対処できる速度でもある。
――なら、この右手を刃と成し、刀を振るうが如く斬り散らすのみじゃ!
ふみ「必殺! 文蹴りっ!!」
高く舞い上がるふみ殿へ、あたしは自らの剣を抜いた。
イナ「奥義! 手刀・雷鳴斬り!」
ふみ殿の足へ向けて、手刀を振りきった。
ザシュンッ!
着地後そのまま足をとられるふみ殿。
ふみ「イタタタ。私の負けかぁ~」
しかし、その足には思ったよりダメージが無いように見える。
イナ「いや、あたしの負け……じゃな」
払った右手を見せてそう言った。
とても斬巌刀がもてないくらい痺れていた。
その痺れもしばらくすれば治るものじゃ。
イナ「しばらくは使い物にならぬ」
ふみ「私も動けそうにないねぇ」
イナ「なら、引き分けじゃな!」
ふみ「うん。そうだね!」
遊びにしてはただならぬ緊張感じゃったが、あたしは清々しい思いだった。
戦った後というのは、互いを認め合えるものなのだと知った。
イナ「ふみ殿?」
ふみ「なんだい?」
イナ「母上の話も聞かせてください」
あたしはふみ殿に駆け寄ると、その腕をギュッと抱き締めた。
今日まで一線を引いていたが、今となってはそんなものは関係なくなった。
ふみ殿もそれを感じてくれたのか、快く頷いてあたしの頭を撫でてくれた。
こうしていると姉上のような母上のような心地よさを感じられる。
母上もふみ殿に同じようなことを感じたのではないだろうか……。
ぱちこんっ!
イナ「な、なんじゃ?」
ぷみのパンチがあたしの額に当たっていた。
ぷみ「やったぁ!あたったぁ!」
イナ「イキナリ何をするのじゃ?」
ぷみはふみ殿にしがみつくとあたしを睨み付けた……のか?この顔は?
ぷみ「おかあさんはぷみのだよ!」
あ、そういうこと。まだまだ甘えたい年頃だと思っていた。
ふみ「はいはい。喧嘩しないの」
ふみ殿はあたしとぷみをギュッと抱き締めた。
それが妙に心地よく、気持ちが良かった。
ぷみもそうなのか、すんなり大人しくなってしまった。
あたしはあたしの叔母をもっともっと好きになったのだった。
イナの口調が「じゃ」だったり「だ」だったり一定しない!!
なんか流れ的に「だ」の方が使いやすいぞ?
婆言葉はヒロイン性強い反面、一人称視点のバトル小説ではどうも使いづらいです。
これは本格的に書くまでに決めておかなきゃならない部分ですね~。
話し言葉以外はフツーにするか、もしかしたら婆言葉やめるかもです^^;
ラストのふみの抱擁は前にももこさんに描いてもらった4コマからw
このオチ好きですwおふみらしくってw
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